「元本保証で年利20%」「絶対に損しない投資」——こんな話を見聞きしたことはありませんか?
残念ながら、これらは投資詐欺の典型的な「うたい文句」です。数学の確率・期待値の考え方を使えば、こうした話が論理的に「ありえない」ことを見抜けます。
この記事で学べること:
- 投資詐欺のよくある手口と特徴
- 確率・期待値を使って「おかしな投資話」を見破る方法
- 金融リテラシーが身を守る最大の武器になる理由
本記事は、株式会社数強塾代表・藤原進之介が監修しています。
投資詐欺の典型的な手口
よくある3つのパターン
金融庁が公表する情報によれば、投資詐欺には繰り返し登場する共通パターンがあります(詳細は金融庁公式サイトをご確認ください)。
- 元本保証+高利回り:「絶対に元本は守られる」「年利20%以上」など
- 有名人・実績の偽装:「著名投資家が推奨」「過去5年で100%の利益」など(根拠不明の実績を示す)
- 焦らせる手口:「今だけ」「残り3名のみ」「今日中に決めてください」など
なぜ騙されてしまうのか
詐欺の手口が効果的な理由の一つは、「損失回避バイアス(そんしつかいひバイアス)」と呼ばれる心理的傾向にあります。人は損を避けたいという気持ちが非常に強く、「絶対に損しない」という言葉に引きつけられてしまいます。
行動経済学の知見によれば、人は「同じ金額の利益」より「同じ金額の損失」をより大きく感じる傾向があるとされています。
確率と期待値で「おかしさ」を証明する
「元本保証+年利20%」は数学的にありえない
【期待値による検証】仮の例
「元本保証で年利20%」の投資商品があるとします。
もし本当にリスクなしで年利20%なら:
・100万円を預けると1年後に120万円になる
・運営会社は必ず20万円以上の利益を出す必要がある
しかし現実の金融市場では:
・日本国債(安全性が高いとされる)の利回りはごくわずか(日本銀行公式サイト参照)
・銀行の定期預金の利率も非常に低水準
結論:リスクなしで年利20%を保証できる合法的な運用方法は現実的に存在しません。
※ 数字はあくまで考え方を説明するための例示です。
期待値で「損な賭け」を見抜く
期待値(きたいち)とは、「ある行動を繰り返したときの平均的な結果」を表す数学の概念です。
たとえば「100万円投資して50%の確率で200万円になり、50%の確率で0円になる」という商品の期待値は:
期待値 = (200万円 × 0.5) + (0円 × 0.5) = 100万円
期待値が元本と同じなので「損も得もない」計算になります。しかし多くの詐欺的商品は、期待値が元本を大きく下回ります。
よくある誤解——「知人に紹介されたから安全」は間違い
よくある誤解として、「信頼できる知人から紹介された話なら安全だ」と思いがちですが、これは危険な思い込みです。
詐欺の手口の一つである「マルチ商法」や「ねずみ講(ポンジスキーム)」では、参加者が自らの知人に紹介する構造になっています。紹介者本人も被害者である場合があります。
数学との接続——確率と意思決定
確率と期待値は、高校数学「確率・統計」の中核テーマです。
「期待値が元本を下回る行動をとり続けると損をする」という考え方は、数学的に証明できます。これは受験数学でも問われる論理的思考力の基礎です。
また情報Iの「情報社会の問題解決」単元でも、情報を批判的に評価する力(クリティカルシンキング)が重視されています。偽情報を見破る方法の記事も合わせて読んでみてください。
怪しい投資話に出会ったときの対処法
- すぐに決断しない:「今日中に」「残りわずか」は焦らせる手口の典型
- 金融庁のサイトで業者を確認:登録業者かどうかを必ず確認する
- 家族・第三者に相談する:独断で決定せず、冷静な意見を聞く
- 「元本保証+高利回り」は要注意:リスクと利回りはトレードオフの関係にある
投資詐欺に関する相談窓口として、金融庁の「金融サービス利用者相談室」(0570-016811)があります。
まとめ:投資詐欺を見破るための3つのポイント
- 「元本保証+高利回り」は数学的にありえない——確率と期待値で考えると明らかになる
- 焦らせる・急かすのは詐欺の典型的な手口——時間をかけて冷静に判断する
- 金融庁への確認と第三者への相談が身を守る最大の武器
次に、期待値とは何か?数学的に「損得」を正しく計算する記事で、確率的思考をより深く学びましょう。
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免責事項
本記事は、数学・情報・英語・金融リテラシーを学ぶための教育目的の情報です。特定の金融商品・個別銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。本記事の内容は、金融商品取引法上の投資助言を目的としていません。記事内の数字・計算例は、概念の理解を助けるための仮の例示であり、実際の運用成果・将来の利益を保証するものではありません。運営:株式会社数強塾 / 監修:藤原進之介

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