「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。しかし「なぜ分散するとリスクが下がるのか」を数学的に説明できる人は少ない。
分散投資の効果は、実は相関係数という数学の概念で正確に説明できます。感覚ではなく、数字で理解しましょう。
この記事で学べること:
- 分散投資がリスクを下げる数学的な仕組み
- 相関係数とポートフォリオのリスクの関係
- 分散投資の限界(分散できるリスクとできないリスク)
本記事は、株式会社数強塾代表・藤原進之介が監修しています。
分散投資の基本概念
なぜ一種類だけに集中するとリスクが高いのか
仮に全財産を1つの会社の株に投じたとします。その会社が倒産すれば、全額失います。しかし10社に分散すれば、1社が倒産しても損失は全体の10分の1程度に抑えられます。
これが分散投資の直感的な理解です。しかし、数学的な効果はさらに深いところにあります。
「相関」が低いほど分散効果が大きい
たとえば「晴れの日に売れる商品A」と「雨の日に売れる商品B」の2社の株を持つ場合、A社の株が下がる日はB社の株が上がる可能性があります。この「逆方向に動く」関係が、リスク低減の鍵です。
相関係数とリスク低減の仕組み
【相関係数とリスクの関係(概念整理)】
相関係数 = +1.0 :完全に同じ方向に動く → 分散効果ゼロ
相関係数 = 0.0 :無相関(動きに関係なし)→ 分散効果あり
相関係数 = −1.0:完全に逆方向に動く → 最大の分散効果(理論上)
実際の投資では相関係数が完全に−1になることはほぼありませんが、相関の低い資産を組み合わせるほどリスクを下げられます。
※ これは概念の説明です。実際のポートフォリオ構築は専門的な判断が必要です。
よくある誤解——「銘柄数を増やせばリスクはゼロになる」は間違い
銘柄数を増やしても、完全にリスクをゼロにすることはできません。株式市場全体が下落するような「市場リスク(システマティックリスク)」は、どれだけ分散しても避けられません。
数学との接続——分散の合成
2つの資産A・Bを組み合わせたポートフォリオの分散(リスクの指標)の計算式は以下の通りです(高校数学・統計の応用):
ポートフォリオの分散 = w_A² × σ_A² + w_B² × σ_B² + 2 × w_A × w_B × ρ × σ_A × σ_B
(w:各資産の比率、σ:各資産の標準偏差、ρ:相関係数)
ρ(相関係数)が小さいほど、最後の「2×w_A×w_B×ρ×σ_A×σ_B」の項が小さくなり、全体のリスクが下がることが式から読み取れます。
分散投資の限界
- 非系統的リスク(個別リスク):分散で低減できる。特定企業の不祥事など
- 系統的リスク(市場リスク):分散では低減できない。経済危機・金利変動など
分散投資は「個別リスク」を減らす有効な手段ですが、「市場全体のリスク」には対応できない点を理解しておくことが重要です。
まとめ
- 分散投資の効果は「相関係数」で数学的に説明できる
- 相関の低い資産を組み合わせるほどリスク低減効果が大きい
- 市場全体のリスクは分散では避けられない
学習をさらに深めるために
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数強塾の個別指導は、答えを教えることより、「なぜそうなるのか」を一緒に考えることを大切にしています。
免責事項
本記事は教育目的の情報です。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。記事内の計算例は仮の例示です。運営:株式会社数強塾 / 監修:藤原進之介

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